EV/EBITDA倍率とは③ お知らせ
EV/EBITDA倍率とは③
EV/EBITDA倍率には限界も
EV/EBITDA倍率にも限界があります。
EV(事業価値)がマイナスになる場合は、倍率がマイナスになるので他社との比較には向きません。
しかしながら、EVがマイナスの企業は、負債が少ない(または無借金)、現金・預金が多い企業であることがほとんどでしょう。
また、EBITDAがマイナスのときにも使えないでしょう。この指標は、何年間のEBITDAで投資(企業価値)を回収できるかを示すものだからです。
このような場合には、プラスの予想EBITDAを使って計算するなどの対応をとることになるでしょう。
そして、EV/EBITDA倍率を使っての企業価値評価が適していない場合もありますので、その場合には違う方法での企業価値評価をすることも検討しましょう。
EV/EBITDA倍率を使うときの注意点
EV/EBITDA倍率はおおまかに、買収で投資した金額を約何年で回収できるかを検討する指標となりますが、資金の流れを正確に把握するには向いていません。
EBITDAは、企業のお金を稼ぐ力を算出するために計算されるので、収益力以外の要素はあまり表現できないからです。
たとえば、借入金返済や期中に行った設備投資の金額などはEBITDAには反映されません。
資金の流れを正確に把握するには、キャッシュフロー計算書や、決算書の借入金額・資産項目なども確認し、総合的な観点での評価が大切です。
最後に
目安としていくつかの計算方法が存在しますが、結局のところは買い手と売り手の話し合いで売却価格を決定します。
EV/EBITDA倍率は、売り手企業のお金を稼ぐ力を表しますので、買い手にとってM&Aの意思決定や買収価格の決定において重要な判断基準となります。
また、売り手企業にとってはEV/EBITDA倍率を用いて企業の魅力を数値で伝えることで、売却価格を上げる材料とすることも可能です。
(弊社M&A事業に関しまして、詳しくはこちらをご参照いただければ幸いです。)