M&Aの流れ③(基礎情報の分析~基本合意締結) お知らせ
M&Aの流れ③(基礎情報の分析~基本合意締結)
本記事では、2つ目の段階:マッチング・交渉段階における「5、基礎情報の分析」から「7、基本合意締結」までを取り上げます。
2つ目の段階:マッチング・交渉段階
5、基礎情報の分析 企業価値算定とM&Aスキームの検討
IM(インフォメーション・メモランダム)などにより開示された情報を参考に、買い手側は売却側の企業の企業価値算定(バリュエーション)とM&Aの方法を検討します。
企業価値算定
企業価値算定とは、買収対象企業の価値を金銭的に評価することです。
大まかにではありますが企業価値を算定して買収価格の目安(上限と下限)を定め、本格的なM&A交渉に乗り出すべきかどうかを検討する大きな判断材料となります。
M&Aの方法の絞り込み
M&Aスキーム(方法)については準備段階から検討対象となり、ノンネームシートや買収提案書などにも記載されます。
IMなどの提示と企業価値算定を経た段階で、さらにスキームの検討がなされます。この段階での決定が全てではなく、M&A実行後の会社の姿・税制上の対策なども含め、総合的にお互いにとってより良いスキームの検討は最終段階まで続きます。
6、経営者同士の話し合い
M&A交渉が開始し、お互いの買収・売却の検討が始まると、経営者同士の面談が行われます。
交渉をスムーズに行い、またそれぞれの希望を伝えあい、今後の助け合いやより良い発展を目指すためには、経営者同士が話し合いの場を持ち意思疎通できれば理想的でしょう。
M&Aは長丁場になることも多く、早い段階で信頼関係を築くことができると、お互いの経営・発展にとってプラスです。
7、基本合意締結
買収側・売却側双方でM&A契約を進めようということになれば、どのような条件・方法でM&Aを進めて行くかの、暫定的な合意事項と以後のプロセスに関する規定を盛り込んだ基本合意書を取り交わします。基本合意書は暫定的なものであり確約ではありませんが、これ以降のM&A交渉の進め方に関して
法的拘束力を持ちます。
基本合意書には主に以下のような内容が盛り込まれます。
M&Aスキームと譲渡対価
暫定的にM&Aの方法・金額を記載する場合もあれば、方法については複数の種類を記載し、買収金額については一定の幅を持たせる場合もあります。
スケジュール
デューデリジェンスのスケジュールや、最終契約・クロージングまでの期間の目安などを記載します。
独占交渉権の付与
M&Aのプロセス(とくにデューデリジェンス)を行う買収側には多大なコストがかかります。
そのため、期限を決めて、売り手側が他の買い手候補と交渉することを禁じる旨の条項が盛り込まれることもあります。
デューデリジェンスへの協力義務
デューデリジェンスは買い手側の主導で行われますが、売り手側の協力も欠かせないため、その協力義務についての規定も記載されることが多いです。
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