M&Aの流れ⑤(最終契約) お知らせ
M&Aの流れ⑤(最終契約)
本記事では、3つ目の段階:最終契約段階における「3、最終契約」について取り上げます。
3つ目の段階:最終契約段階
3、最終契約
最終条件交渉でお互いの合意が得られると、M&Aの契約内容を確定する最終契約の段階となります。
最終契約書に盛り込まれるのは、主に以下5つの規定です。
①譲渡方法・譲渡価格・価格調整
M&Aスキームと譲渡価格が記載されます。また、M&Aでは最終契約締結からクロージング(契約実行)までに1か月以上の期間がかかることも多いので、その間に生じる株式・資産の価値の変動等を譲渡対価に反映させるため、価格調整に関する規定も記載されることが多いです。
②表明保証
M&A契約に関わる事実関係や法律関係について真実性と正確性を表明します。売却側としては、短期間で執り行われたデューデリジェンスで網羅しきれなかった事実関係・法律関係を
カバーするために表明保証を設定します。例えば、デューデリジェンスで明らかになったもの以外の偶発債務や簿外債務は、売主の知る限り存在しない。といった内容です。
買収側は、買収にあたって十分な法的能力・権限を有していることなどの表明保証を設定します。
③制約事項
最終条件交渉で合意された、双方の義務(最終契約締結からクロージングまで、およびクロージング後についての義務)を誓約事項として規定します。
④クロージングの前提条件
M&A実行のための前提条件を規定します。売却側・買収側いずれかの前提条件に違反した場合、他方の当事者には契約を解除する権利が与えられることになります。
表明保証事項の真実性・正確性と誓約事項に規定された義務の履行が代表的な前提条件です。
⑤補償
表明保証や誓約事項に違反した場合の補償や、デューデリジェンスで見いだされた偶発債務に関する補償などが規定されます。
なお、上場企業の場合、最終契約は適時開示義務(証券取引所に上場している企業が、投資家の投資判断に重大な影響を及ぼすような事項を決定した場合や、重大な影響を与える事実が発生した場合は、証券取引所の上場規定に基づいて、これらの情報を速やかに開示する義務のこと)の対象となるため、直ちに契約内容の開示・届出を行います。
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